MD小野です。
先日ロシアのプーチン大統領が24歳の女性下院議員であるアリーナ・カバエワさんとの結婚報道が流れてちょっとした話題となった。アリーナさんは元新体操の選手でアテネ五輪の金メダリストだ。日本人の美的趣味と一致するかはともかくも、アリーナさんはスーパーモデルばりの美しさを誇ることで知られている。ロシアではテニスのシャラポワ並に注目度が高い人だとか。
そんな国民的人気を誇る若い美人が現職大統領と結婚か?!という記事を流したのが日刊紙モスコフスキー・コレスポンデント。この報道でロシアは大騒ぎとなり同紙の編集長は12付けで辞職に追い込まれている。アリーナさん側からの記事訂正要求をつっぱねて来たが、18日になって記事には根拠がなかったと発表していた。翌19日には
発刊停止に追い込まれていたことが判明した。
イタリアを訪れているプーチン大統領は記者からこの件について質問されて、内容を全否定している。そもそもプーチン大統領にはリュミドラ夫人がおり、離婚したとの報道もあるがなにやらアンタッチャブルなことらしく、まともな報道がなされていない。
時としてどんな先進国でもこの手の下品なゴシップは報道というより放言に近いものも少なくない。報道の自由は許されていても、放言の自由など保障されるはずもない。その一方、同紙の発刊停止は表向き経済的理由とコメントされているが、クレムリンからの圧力があったことも否定していない。日本であれば皇室や時の総理にありもしないゴシップを書いたとしても権力を持つ側が潰したくともメディアを潰せるようなことはできない。それはゴシップの弊害よりも、権力による情報操作がいかに問題であるか明らかだからだ(例えば太平洋戦争時での情報統制がそれ)。
子供の頃の小学校や中学校の卒業式のエライ人の訓示では必ず「これからは国際化の時代」なんて言われていた。ところが近年はそういった「国際化」らしきものはグローバリズムという言葉に変わって、どうもアメリカを筆頭とする資本主義国が都合良く世界を支配する仕組み作りに他ならないという批判もある。冷戦後、世界の距離は近づいたように見えるが、実はむしろ世界は思っているほど同じ価値観を共有している訳ではないことが鮮明になってきた。騒動となっている中国でのチベット問題での中国側発言が全く問題外であるように。国内では当たり前で妥当な発言であっても、海外から見たら全くハナシにならないなんてことだ。
日本は食料、資源ともに輸入に依存している。これは第二次世界大戦の時代よりも顕著になっている。つまり、政治・経済とも外国の影響を受けやすい体質であることに変わりはないのだ。アメリカという世界で一番ケンカの強いパートナーと手を結んでいるが、それだけで全てが解決するような甘い現実ではないだろう。外国は我々とは違うのだ・・・という前提をもって、最大の注意を払いながら付き合うことが必要だ。
ロシアは今では石油輸出ナンバー1の国である。そして、その石油を牛耳っているのが”政商”と呼ばれる一部の人間たちだ。政治との癒着で特権的な権利を持ち、異常なまでの財力を手にしている。日本でも有名なのがロマン・アブラモヴィッチ氏。あのサッカーのプレミアリーグのチェルシーのオーナーとして知られる人物。ある日突然名門のサッカーチームのオーナーとなり、世界中の名選手を買い集めたことは記憶に新しい。エリツィン時代から新興財閥と政治の結びつきは顕著で、傘下のメディアによる政権支持が広がる中、政権に反対的立場をとるメディアの締め出しが報道されている。
今回の”再婚報道”は取るに足らないニュースなのだけれど、海を隔てて国境を接する国々は私たちの国とは全く違うんだということを改めて認識させられる。